元は書家であり、教育者でもあった故吉村昭三氏は、「日々実践すること、そして繰り返し行うこと」を日頃から大切にしてきました。また、「夢や理想、高い志をもつこと」これもまた大切にしてきました。
現成会設立前、未だ介護施設などそのような概念すら存在しなかった頃、年老いた人は、家庭で面倒をみることが当たり前でした。現代と違って、オムツもなくまた介護に関する知識も誰も持ち合わせていません。赤子一人面倒をみることも大変な労力を要しますが、それが大人となればもっと大変です。しかし、預け先もないわけですから家庭でみるしかない。あるいは病院にいれるしかない。そのような選択しかない時代でした。故吉村昭三氏も実母の介護経験を「あれほど苦労したことはない」と後に述懐しています。
そのような社会環境下で福祉施設を創ること、それはまさに夢の実現、高い理想そのものでした。しかし、可能性はゼロではない、信じて実行し続けること、そのような思いが、法人の名称にもしっかりと遺されています。